視点を変える

一般的に言えることだと思うけど、自分の職種に絡めてのお話。

視点を変えることで気づくことや覚えることに違いが出ることはよくある。

例えば、あなたが「社員のメールアドレスを一元管理することにしたからアドレス帳のデータを格納するLDAPサーバを構築してくれ」という仕事をやることになった。このときLDAPという技術について知識がなかったとする。

そこであなたはLDAPサーバの構築法やそこでのメールアドレスデータの改廃方法などについて学び無事LDAPサーバの構築ができたとする。

これでLDAPという技術を扱ってメールアドレスの一元管理というものができるということを覚え、それを実現できるようになった。LDAPを実装した製品(それはOpenLDAPかもしれないしIBM Directory Serverかもしれない)についての知識も得たことだろう。

新しい技術を身につけた!と実感できる瞬間だ。

ここで、もし余裕があるなら、

「LDAPを使えばメールアドレスの管理ができる」

ということを知っただけで満足しないで

「メールアドレスの管理になぜLDAPが使われているのか」

ということまで視点を変えて考えてみよう。

すると必然的にLDAPの発展の歴史やその作りの考え方・ポリシーなどに触れていくことになる。

すると、データ構造が拡張性に富んでいる、とか、データ送受信の約束事がシンプルに実現されているため実装しやすい、とか、その他いろいろと優れている点がわかってくる。

なるほど、こういう特徴を持っているからこういう用途に幅広く使われるようになったのか、と納得するところまでいく。

こういう視点を持つように心がけていると流行り廃りの中で残っていくものや広く普及するものは何が優れていたかというところに目が行くようになる。

これは技術を扱う上でとても大切なことだと思う。

例えば同じように、「TCP/IPのパケットが解析できる」ところで満足しないで「TCP/IPがなぜここまで普及したのか」というところまで踏み込んでみるというのもあるだろう。

そういうことをしていると「次にくるもの」に対しての感覚が磨かれたり、理解が早くなったりもする。

視点を変えることで本質に近づいたり、より深く理解できることというのは技術に限らずある。常に「なぜ」と考えることも大事でしょう。

こういうのは一種の訓練であって意識していないと磨かれない。
自分のやってきたことや覚えたことを角度を変えて改めて考えてみるのもたまには必要かもしれません。